第23回 相続人に相続させたくないという女性

自由変更部分

キーパーズ有限会社
代表取締役
宅地建物取引士
吉田太一 さん

2002年、日本初の遺品整理専門会社キーパーズを設立。年間1600件以上の遺品整理に携わるほか、スムーズな相続を実現するための不動産をはじめとした各種手続き、リサイクルなどあらゆる相談に応じている。さだまさし原作の映画「アントキノイノチ」のモデルとしても知られる。日本ペンクラブ会員。

 先日、事前の相談に伺った女性がこんなことをお話されていました。
「相続財産や保険金を、息子や甥や姪に渡さなくていいように手続きは終わっているのよ」
「ちょっと待ってください。相続放棄は、被相続人であるあなたが亡くなった後でないと成立はしないはずですよ。何かの間違いではないですか?」
「しかし、司法書士さんがこれで大丈夫ですって言ってたわよ」
「え!? そんなことはないはずなんですけどね。万が一間違いだったらいけないから少し調べてもいいですか」
「もちろん、いいわよお願いします。でも息子も同意して家庭裁判所に行って手続きしてきたって言ってたので大丈夫だと思うのですけどね」
 相続放棄は絶対にできないので、ほかの方法があるのなら知りたいと思い、私は知り合いの司法書士に連絡をして聞いてみたのです。
 すると、「それは相続放棄でなく、遺留分放棄ではないですか?」と教えてもらえました。

 私も初めて知った手続きだったのですが、確かにそうすれば相続放棄と同じ効力があることがわかりました。
 相続放棄とは、被相続人に死後、相続人が相続するか放棄するかの意思を表示して決まるので、被相続人となる方が、生きているうちに相続放棄の意志を書面に残しても無効となるのです。
 遺留分放棄は、被相続人が生きている時に、相続人になるだろう人が自分の意志で家庭裁判所に行き、自分は相続人としての遺留分放棄の申請が出来るということなのです。
 そうしておけば、公正証書による遺言によって相続人以外の方に、遺贈しても相続人から遺留分請求が出来ないので、すべて子供以外の人や施設に渡せるということなんですね。
 ただし、この方のように息子さんも同意の上で、自らが手続きに行ってくれることなんてそう多くはないと思いますけれどね。

 この場合は、被相続人が相続人になるだろう身内から日常的に、虐待を受けたり暴言を吐かれたり、悪口を言いふらしたり、名誉を傷つけたりしてるという場合に適応されるそうです。
 家庭裁判所に申請して、相続排除の審判が下されたら、役場に行って推定相続人排除届けを出すと適応されるそうです。
 遺留分放棄と違い、被相続人が自分の意志で裁判所に申請できますが、一般的な家族間での喧嘩では受理されることは無いようです。
 また公正証書遺言にも、相続排除と記載しておき相続開始後に遺言執行者が裁判所に申請するというケースもあるそうです。
 しかし、客観的に誰が見ても一方的に、その相続人が酷くて事実が認められない限り簡単には適応されることはありません。

 皆さんはこんな方法を使う必要なく、円満な相続になりそうですか?

遺品整理や残置物の撤去

お問合せは 「キーパーズ」 へ

全国共通フリーダイヤル
( 受付10:00〜22:00 )

自由変更部分 0120-754-070

年中無休・相談見積無料・即日対応OK   https://keepers.jp/